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『Maximaで学ぶコンピュータ代数』

赤間世紀氏著の最新のMaxima本である『Maximaで学ぶコンピュータ代数』の感想など。

・Maximaの単なる使い方というより、数学理論とそれを解析するコンピュータ代数をつなぐ説明が中心となっていて好感を持った。
・附録のCD-ROMに掲載されているサンプルプログラムが格納されているが、高々200KBの容量なので、サポートサイトからダウンロード配布してその分少しでも安くなっていれば良かったと思う。
・ちなみにMaxima本を3冊持っているが、それぞれタイトルと内容が微妙に違う。
『はじめての数式処理ソフト/竹内 薫』は「Maximaという無償の数式処理ソフトでたまたま試す数学&物理シミュレーションの軽い説明」という感じだし、『はじめてのMaxima/横田 博史』こそが「初めてというよりMaximaで学ぶコンピュータ代数の説明」、そしてこの赤間氏の著作こそ「初めてMaximaを使う人のための説明本」だと思う。

とにかく前述したように数学理論から丁寧に(ただし簡単では無い)説明しているのがお気に入りの好著だが、サンプルプログラムを増やすか参考になるサイトが掲載されていればさらに良かったと思う。

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Squeak Etoys on iPad

Squeak EtoysがiPadに移植されたようだ。

iSqueakなので簡単にはインストールはできないだろうが、iPhoneと違ってこれくらい画面が大きいと実用度十分な感じがする。

なんとか公式なiPhone/iPad Appsになってほしいものだ。
そうすれば特にIPadは本当にDynabookになれるのに。

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『1Q84 BOOK 3』の感想など

ようやくまとまった時間をかけて『1Q84 BOOK 3』を一気に読んだ。以下感想など(BOOK1,2の感想はこちら)。

・『1Q84』自体、最近の村上春樹の長編の中では久々に面白かった。 BOOK 3でようやくそれまでの謎解きが始まって小説への引込まれ感が強くなった事もあるが、文章もよくこなれていて読みやすいし、無駄な表現が本当に無いと言った感じ。『ノルウェイの森』のワタナベ君が『グレート・ギャツビー』に感じたのと同じ感じだと思う。
・やっぱりBOOK 2で終わるはずが無かった。BOOK 3が本来最初から構想にあったのが自然だろう。ちなみに最後はハッピーエンドだが村上氏の著作では珍しいはずだ。特に新しい読者のあまりの反響に責任を取った感じかな。
・だいぶ謎は解けたがそれでもふかえりはその後どうなったのか、年上のガールフレンドはどうなったのか、NHKの集金人の正体は天吾の父親の魂だったのか、安達クミは天吾の母親の生まれ変わりだったのか等、明確にはなっていない部分もある。それでもここ15年くらいの村上氏の著作の説明不足、読者への突っぱね方を考えると『1Q84』は村上氏が改心したのかと思うくらい読者に対して親切だ。
・BOOK 2までの牛河さんはいやな奴だったが、BOOK 3での探偵、ストーリーテラーのような活躍を見るとその結末は残念だ。客観的に犯罪者として見ると牛河さんよりも青豆の方が遥かに悪者なのにと思う。でも最後に彼の魂の一部が復活した事で少しは報われたかな。
・リインカネーションの話が出てきたので、ひょっとしたら『1Q84』はそれがテーマだったのかと思ったが、それは軽くスルーされた。ちまたではBOOK 4が出るのではとの噂があるが、もしそうならBOOK 4でリインカネーションがテーマに出てくるように予感している。
その場合、時代は25年後の2009年(200Qかな?)で、天吾と青豆の子供、ふかえり、そして牛河さんの生まれ変わりが織りなす物語の続きのような感じがする。
確かにBOOK 3でハッピーエンドに終わったのでこれ以上続けて欲しくない思いもあるし、三島由紀夫の『豊饒の海』のようにリインカネーション(輪廻転生)をテーマにした壮大な物語になってほしい思いもある。

BOOK 3のP.266でようやく村上氏著作の登場人物得意の「やれやれ」のセリフが出てきた。

やれやれ。僕は『1Q84』が、『豊饒の海』が持つ輪廻転生のような壮大なテーマで僕を打ちのめしてくれるのを期待しているのかもしれない。

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